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司法改革は正しかったのか?これからの司法と法曹のあり方を考える弁護士の会です。

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事務局長のつぶやきバックナンバーBack No.

森山事務局長のつぶやきバックナンバー(随時追加)


◇2014年9月3日(水)あの法務省が・・・

 法務省が、予備試験の制限に反対する見解を明らかにしました。びっくりです。しかし、考えてみれば、法科大学院のことだけを優先するのでない限り、予備試験を制限するなんてことは、どこからも出てこないはずの話です。法務省の見解は、法曹と司法の未来を考えれば、至極当然のことにすぎません。では、われらの日弁連は……? 法科大学院のことだけを考えて、法曹と司法の未来を誤ることのないよう祈るばかりです。

詳しいことを知りたい方はここをクリック(第9回顧問会議議事録のp12〜)



◇2014年9 月10 日(水) 司法試験合格者のレベルがさらに下がった?!

 昨日、司法試験の合格発表がありました。合格者数は1810 人で、昨年の2049 人から239 人減りました。しかし、合格最低点は、昨年の780 点から770 点に下がっています。
 つまり、合格者数を減らしても、合格者のレベルは下がっているのです。司法試験委員会としては、2000 人合格させたくても、答案の内容を見ると、とてもそれは無理だったということだろうと思います。司法試験の志願者・合格者のレベルが年々下がってきています。

 末恐ろしいことです。


◇2014年9月27日(土)韓国法科大学院では予備試験導入の動き

 本日、鄭鐘休・全南大学法科大学院教授の講演を京都で聞いてきました。韓国の法科大学院でも、お金がかかる、金持ちしか法曹になれない、予備校化している、等の「影」が指摘されており、日本にならって予備試験を導入するべきであるという動きがあるそうです。
 また、韓国では、まだ司法試験(誰でも受験できる試験で、法科大学院修了者でないと受験できない弁護士試験と二本立てになっている)が残っており、これが2017 年に廃止されることになっているのですが、それに反対する運動が盛り上がっているとのことでした。大韓法学教授会代表、ソウル弁護士協会長、大韓弁護士協会(日弁連に当たる)副会長らが共同代表を務める「司法試験存置国民連帯」が結成され、ソウル駅前広場で大集会が催されると共に、すでに2本の司法試験存置法案が提案されているそうです。
 鄭教授は、「ロースクール制度を成功させるためにも、司法試験は存置された方がよい。」とのご
意見でした。
 今年の6月4日(水)には、愛知県弁護士会主催の講演会で、タマナハ・ワシントン大学ロースクール教授から、アメリカのロースクールでも日本と同じような問題が起きているという話をお聞きしたばかりでした。
法科大学院(ロースクール)をめぐっては、どの国でも、同じような悩みを抱えているようです。




2015611日 推進会議決定案が公表される

  関係閣僚で構成される「法曹養成制度改革推進会議」が決定する予定の方針案が公表されました。法曹人口については、下記「取りまとめ案」と同様の内容で、その他、司法試験合格率の悪い法科大学院については、強制的に取りつぶす方向を明確に打ち出しています。

方針案はこちら


2015521日  怒りを呼ぶ顧問会議の取りまとめ案

  本日の法曹養成制度改革顧問会議で、法曹人口問題に関する取りまとめ案が議論されました。その内容は、「このまま何らの措置も講じなければ、司法試験合格者数が1500人程度の規模を下回ることになりかねない」と危機感を表明し、最低でも1500人以上合格させなければならないとしています。つまり、弁護士を急増させたことによって生じた弊害を除去するために合格者数を減らすべきだというのではなく、逆に、このままだと減ってしまうので、これ以上減らしてはならないというのです。これを見て、私は唖然としました。

 合格者数を増やすときは、市場原理を持ち出して「供給調整(合格者数を制限すること)をするべきでない」と言っておきながら、市場原理が働いて合格者数が減りそうになると、今度は市場原理を無視して、人為的に供給を増やせと言う。いったい、この人達の頭はどうなっているのでしょうか。

取りまとめ案はこちら




2015327日  司法修習生のアンケート

 326日に開催された法曹養成制度改革顧問会議において、最高裁が実施した司法修習生のアンケート結果が発表されました。これは、導入修習(実務修習に入る前の3週間、延べ15回にわたって行われる事前学習)終了後に、それまで抱いていた不安が解消されたどうかを尋ねたものですが、修習生は不安を抱えたままになっていることが明らかになりました。たとえば、民事実体法の知識について不安があった修習生は約60%いたのですが、導入修習終了後も約50%が不安は解消されないままになっていたというのです。また、不安を抱えていた理由としては、「法科大学院で学修していない」が約20%、「学修したが理解が不十分だった」が約40%となっています。これは、法科大学院がその機能を果たしていないことを示しています。司法試験に合格しても、民事実体法の知識について不安がある人が60%もいるということ自体が驚きですが、約半数の人が民事実体法の知識に不安を抱えたまま法曹になっていく可能性があるとは、地獄を見るような思いがします。このような法曹養成制度は、何とかしなければいけません。

法務省のリンク参照




◇2015
318
 予備試験に関して

「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」が、3月12日付で「予備試験受験資格制限に強く反対する決議」を採択し、発表していたことが分かりました。こうした意見が国会議員の中にも広がっていることは、大変心強いことだと思いました。

http://ameblo.jp/katsuyuki-kawai/entry-12001328802.html




2015212日 司法修習生(68期)の方と意見交換しました。

昨日の常任世人会に、3人の司法修習生(68期)をお招きし、お話を伺いました。その内容は、とても「つぶやき」で書ききれるものではありませんが、取り急ぎ、特に印象に残った点をご紹介いたします。
1 法曹界の将来を悲観したり、経済的な事情等によって、法曹への道を選ばない(選べない)人が非常に増えている。
2 司法試験合格率の高い法科大学院でも、そこで教えてもらうことはあまり司法試験に役立たない。
3 68期から実務修習に入る前の導入修習(3週間)が始まったが、期間が短すぎて不十分である


20141112日 法科大学院協会の「予備試験のあり方に関する意見書」

 法科大学院協会が「予備試験のあり方に関する意見書」(全文は下記 Information 参照)を発表し、予備試験の受験資格について年齢制限(通常法科大学院を修了できる年齢に達しない者の受験を認めない等)を主張しました。その理由として、医師の国家試験受験資格は原則として大学医学部修了者に限られていることからも、予備試験の年齢制限は憲法に違反しないとしています。しかし、医師の養成制度においては、医学部で行われる臨床教育が不可欠の要素となっています。これに対して法曹養成の場合は、法科大学院における教育が必要不可欠と言うことはできず、法曹としての臨床教育は基本的に司法修習で行われることになっています。この決定的違いを無視して、医師の養成と法曹の養成を同一視することはできないと思います。やはり、予備試験の年齢制限は、年齢による差別であり、職業選択の自由を侵すものでもあり、憲法違反と言わざるを得ないのではないでしょうか。


20141112日 民主党の緊急提言

 民主党の「法曹養成制度改革に関する緊急提言」が発表されました(全文は下記 Information 参照)。予備試験については、合格率を高める(つまり、もっと合格者数を増やすということ)、問題をもっとやさしくする、一般教養試験を廃止する等、大変よいことを提言しているのですが、司法試験合格者数については、1500人にするという提言にとどまってしまいました。ただし、今後3年間の様子を見て、改めて数値目標の見直しをするとされていますので、今後一層の働きかけが必要と痛感しました。


◇2014118日 予備試験の合格発表を見て

 116日、予備試験(第4回)の合格発表がありました。今年の合格者数は356人で、昨年(第3回)の351人とほぼ同数でした。第1回の2011年は116人、第2回の2012年は219人と、毎年増えてきたのが、ついに頭打ちになりました。「法科大学院を中核とする法曹養成制度」を金科玉条とする立場からは、予備試験の受験資格を制限するなどして予備試験のハードルを高くするべきであるという主張が強く出されており、受験資格制限には反対の意見を表明した法務省も、さすがに合格者を増やすことはできなかったということでしょうか。

 しかし、司法試験の合格率は、法科大学院修了者が21.2%であるのに対し、予備試験合格者は66.8%と、今年も圧倒的に予備試験合格者の方が高いのです。閣議決定に従って両者の合格率を同程度にするためには、予備試験の合格者数を大幅に増やさなければならなかったはずです。「討論の広場」で白浜弁護士が述べておられるように、予備試験が不当に差別されていると言わなければならないと思います。

2015619日  推進会議決定案に関する討議資料

 推進会議決定案について議論をしていただく際の資料として、「推進会議決定案の骨子と主な論点」を作成いたしました。是非ご活用下さい。

 ※「推進会議決定案の骨子と論点」はこちら





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